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旅 唐津

旅の〆は、大好きな唐津の陶芸家の先生のところを訪ねることでした。
先生は奥様を乳がんで、1人娘を膵臓がんで亡くされています。お2人とも先生を手伝い工房にいたので、生活も仕事もずっと一緒にしていた家族であり、同志であったことでしょう。その悲しみにも負けず、制作を続ける先生はすごいといつも思っていました。
夫を見たとたん、大喜びの先生。
「良くなかこときいてたけん、でもこげん元気なら安心したわ」と。「まだ生きろってことだわ」と。
先生1人になっちゃって寂しくないですか?と私が聞くと「寂しくないことはなかばってん、1年経った時に、悲しんでてもしょうがなかけん、きっぱり諦めて生きることにしたと。でも娘の時は、やっぱり妻より辛かったねぇ」と。
今年の10月に80歳になる先生の言葉。
1人いる孫に工房継いで欲しいけれども、継いでた娘が死んでしもうたけん、そうすると工房にも来なくなって、今じゃ1年に1度会うか会わないかじゃけん、と。
80歳になる先生も膀胱癌(7回再発)を乗り越え、今では7年再発してないと。
色々ありつつ80歳になっても登り窯を使い年に3から4回窯焚きをしている先生を尊敬しています。陶芸ってすごく体力のいることだからです。年下の友人が窯焚きのときは手伝ってくれるとのことですが、作品作りは全部1人。まだ5年は出来る!と力強く言う先生から"潔さ"と"前へ前へ"の心を教わった唐津の旅でした。
11月には東京で毎年恒例の個展が。タイから戻りまたお会いしたいなぁと思います。
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by SmileSkySea | 2018-06-02 08:45 | 夫の日常